生産者ストーリー #1どまんなか野菜 本橋秀一さん

「やっぱり野菜も花が咲いている時が一番綺麗なんです」

ちょうど春になろうとする頃、筑波山の麓にあるどまんなか野菜さんの畑では、いろんな葉物野菜がいろとりどりの花をつけていた。私たちがスーパーで目にする「小松菜やルッコラ、かぶ、なんと白菜も、じつは花が咲くんですよ」たしかに、タネができるということは、花が咲くということ。 理屈ではわかっているけれど、なぜか野菜は別だと思っていた。
春が近づくと野菜たちは背伸びをはじめ、美しさを競い合って花を咲かせる。その花たちを愛おしそうに見つめる本橋さんが作るお野菜は、どれも素直ないい子たち。優等生という意味ではなく、「みんなちがってみんないい」のほう。どの子ものびのび、すくすくと育っている。
野菜でいうと“薹(とう)が立っている”状態ということだろうが、スーパーに並ぶことがない、この花たちをサラダにして食べると、なんとも柔らかく、ほんのり春の苦味を感じておいしい。その上、なんといっても美しい。普段のサラダがおめかしサラダになるのだ。

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お会いする前、本橋さんのブログを読んでいて、お野菜をまるで子供のように育てているこの人の畑を見てみたい、そう思った。
訪れた畑では、麦やにんにくが静かに春を待っていた。
「もう少しすると、豆類がたくさんできるんです、とりたての豆をペロッと食べると、本当に美味しいんですよ」
11月に植えた豆ができるのが5月。半年もの長い時間をかけて冬を越し、じっくりゆっくり育った豆は、柔らかくて、爽やかな初夏の味。届いた野菜セットに入っていたスナップエンドウをひとつ、そのままパクリ。あの、素敵な畑を思いながら、もうひとつ。今度は青い味がする。
あの日見たニンニクの芽も入っていた。「ニンニクの芽って、気持ちよく抜けるんですよ、スッと。」そう嬉しそうに話していた顔が思い浮かぶ。

もうすぐトマトやナスが届くだろう、それはまだ会ったことがない子たちだけど、元気一杯な味がすると思う。

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どまんなか野菜さんの『季節の野菜セット』販売中

2017年6月22日

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